今月の音声心理士#3:キム・カレンデュラさん
聞き手・本文/北村昌陽(フリーランスライター)
2026.05.01
――今日はよろしくお願いします。キムさんは、韓国の方なんですね。
キム・カレンデュラさん(以下キム)はい、韓国の金浦に住んでいます。
――日本語がとてもお上手ですね。どうやって身につけられたんですか?
キムいえいえ、まだまだ難しいです。
2000年に、留学生として日本に行き、日本語と社会福祉の勉強をしました。そのあと、病院で通訳をしたり、貿易会社に勤めたりと、いろいろな仕事をしながら、12~13年ぐらい日本に住んでいました。
――そうなんですね。では音声心理士の講座も、日本語で受けられたんですか?
キムはい、日本の講座をzoomで受けました。
――どういう経緯で、声診断を知ったんですか?
キム10年ぐらい前、うちの長男が2、3歳の頃ですが、自閉症的な行動が現れ始めていたんです。それで、良い治療法はないかと探していて、こちらのお母さんのグループで、日本の自然療法、例えばホメオパシーなどがいいよ、という話を聞きました。
それで、日本のいろいろな療法の情報を集め始めました。ホメオパシー、アロマセラピー、フラワーエッセンスなどの講座を受けて、実際にいろいろ試しました。
そうやって情報を集めていく中で、声診断にも出会ったんです。
――なるほど。
キム初めて知った時から、すごく惹かれました。それまでいろいろ試してきた療法はどれも、最初は安いけれど、いろんなレメディとかが必要なので、だんだんお金がかかるんです。レメディは消耗品なので。
やっぱり私も、子供のことなので真剣なんです。だからこんなレメディがいい、と聞くと、試すしかない。それで、あれもやってこれもやって、あとで支払いを見たら、うわあぁ、みたいなことがよく起きていた(笑)
でも声診断は、声だけで勝負。最初に受講料はかかるけど、それ以上はかからない。シンプルです。
――はい。
キムちょうどその頃、自然療法の限界にぶつかっていたんです。
例えば、こういった症状にはこのレメディがいいですよ、という話があって。それを使うと、確かに表に出ている症状は消えたりする。なので問題がなくなったように見えるんですが、実は陰陽の陽を抑えているだけ。陰の部分は残っている。だから、やがて陰極まって、もっときついことが起きたりするんです。
うちの長男も、自然療法を何年もやっているうちに、エネルギー的にすごい敏感になっちゃって。人に会ってちょっと話しただけで、帰り道にばたっと倒れちゃうとか、身動き取れなくなるとか、そんなことが起きるようになっていた。
最初は、何が原因なのか全くわからなかったんです。
――あらー、それは大変ですね。
キムそれで、私もすごいヒステリックになって。子供達に対して大声を出す、手も出す、みたいな感じになっちゃったんですね。暴力はダメだって頭ではわかってるけれど、気がついたら怒鳴ってる、手も出ちゃってる。
そしたら子供達がもう、私の声を聞くだけで反応しちゃうから、普通の会話もできない。もう、本当にガッカリで、途方に暮れていた。
そんな時に、声診断と出会ったんです。
子供達が私の「声」に反応しているのは気づいていたので、「声」へのアプローチに惹かれました。
音声心理士の資格が取れるのも魅力的に思えたので、すぐに受講を始めました。それが2023年です。
「病気を治さなきゃ」という想いが、”執着”になっていた
――受講してみて、いかがでした?
キム最初、始めたときは、動画を10時間とか見たら、けっこう簡単に資格取れるのかな、って思ってたんですよ。それまで、他にもいろんな資格の勉強をしていて、簡単に取れるものも多かったですから。
けど、実際はそんな簡単じゃなかった(笑)。
自分の思考をデトックスしなきゃいけない、っていうことがわかってきた。これが、本当に大変で。
講座でやったセッションの動画を見返すと、自分がいろんな感情とかにすごく執着してることが、はっきりとわかるんです。自分の嫌なところ。
本当に恥ずかしくて、苦しくて。寝込んじゃったりとか、そんなことを繰り返していました。
それで、これはまずデトックスに集中しようって思って、VRP(Voice Revolution Program)の講座も一緒に受けました。
動画を何度も見ていると、もう、私ちっちゃな人間ですって認めざるを得ないんです。それで、もういいやって開き直って。そうしたら、そういう気持ちをちょっとずつ手放せるようになってきました。
一番執着していたのが、息子の病気を治したい、治さなきゃ、という執着です。この子は間違っているから治さなきゃいけない、という前提になっていた。でも、それは私の執着だと、ようやく受け入れられるようになってきたんです。
――うわー、それはすごい気づきですね。
キム例えば、以前は息子に対して、ちゃんと言葉で話さなきゃダメ、って思っていました。だから、手で何か食べ物を指さしたりしたら、「食べたいの? だったら食べたいっていうんだよ」って、そこにすごくこだわっていた。
だけど、VRPの講座の中で、由美子先生と少しお話しする機会があって。それで、非言語的なエネルギーを受け取るコツを、ちょっとつかむことができたんです。
そうしたら、そういう非言語のやり取りでも、伝わればOKって思えるようになってきた。
この子が精一杯表現してくれたから、それでOK。世の中からどう言われたとしても、私がOKでこの子もOKなら、それでOKって、だんだんそんなふうに思えるようになってきたんです。
――素晴らしいですね。ありがとうございます。
ちなみに、音声心理士の資格は、どうなりましたか?
キムはい、2025年に合格できました。
――2年がかりだったんですね。おめでとうございます。
キムありがとうございます。
波形を使って、親子のコミュニケーションをサポート
去年、由美子先生が開いてくれた音声心理士向けの講座に参加したとき、ちょうど長男がいたので、講座中にこの子の声の波形をとって、由美子先生に見ていただいたんですよ。
――はい。僕もあのとき、その講座に参加していました。ものすごく貴重な機会でしたね。
キムはい。本当にそうでした。
この子は、よく絵を描くんです。以前は、ただの落書きと思って、特に大事とも思わずにいたんですが、波形を見た由美子先生から、「息子さんは、絵で自分の心を表現しています。絵に現れている非言語的なメッセージを汲み取っていけば、息子さんとコミュニケーションできます」と、教えていただきました。
長男のソンヒョン君が描いた絵
私は結局、本当に単純に、この子の本当の気持ちが知りたかったんだと思います。どんな方法でもいいから、この子と会話がしたかった。
それで、これまでにいろんな勉強をしてきたんですけど、声診断で、やっとそのやり方がわかりました。本当に嬉しかったです。
――ああ、よかったですねぇ。
キムそれで、私も音声心理士になりましたので、自分でも声診断を通じて、自閉症や発達障害の方をサポートしたいと思って、いま「親子セッション」に力を入れています。自閉症のお子さんは、自分の気持ちを言葉で表現することがなかなか難しいのですが、波形を取ると、その子の本当の気持ちが見えてくる。それをお母さんに伝えると、とても喜んでもらえます。
――うわぁ、素晴らしい。まさに、キムさん自身が体験されたことですね。
あと、キムさんは、由美子先生のYoutube動画を韓国語で紹介される活動にも、力を入れていらっしゃいますね。
キムはい、私は韓国初の音声心理士として、音声心理学や声診断を、韓国の人にもっと知ってほしいと思っています。日本の自然療法は、こちらでとても人気があります。声診断も、たくさんの人に興味を持ってもらえると思っています。
2024年春、家族4人で訪れた、米国カリフォルニアのYosemite National Parkにて。
私、実は、とても飽きっぽい性格なんですよ(笑)。仕事でも、慣れてきて大体わかってくると別のことをやりたくなるし、住むところも、いろんなところに行きたい。実際、これまでいろんな国に住んできました。
自然療法も、いろいろ学びましたけど、こんなものかって大体わかると、もういいや、って飽きてしまう。
だけど、音声心理学は、飽きないです。一番長く勉強し続けています。
――へー、そうなんですか。どうして飽きないんだと思います?
キムたぶん、私が変わっていくからです。
――ほぉー。
キム他のメソッドでは、この香りがこうだとか、このレメディはどうだとか、そういう話ばっかり。でも音声心理学では、自分が変わる。自分の魂は、騙せないじゃないですか。
私はこんなふうに考えることができるようになった、思考を切り替えることができた、そういう体験が繰り返し出てくるから、飽きないです。すごい価値のあるものだと思っています。
――なるほどー。素晴らしいお話を聞かせていただき、ありがとうございました。




